薬害エイズ
医療に携わる医師や医薬メーカー、研究者などの努力があって医療は急速に進歩し、まだ治療法が解明されていない病気にも精力的に研究を進め、新しく開発された医薬品などは続々と医療の現場に取り入れられていますが、医療現場におけるあらゆる歪みも浮き彫りになってきました。
いまでもそうですが、キノホルム中毒や薬害エイズ、サリドマイドやソリブジンなどの薬害問題は、医薬品の品質だけではなく、薬事行政なあり方まで問題とされてきたこのですが、薬害エイズ被害は、主に血友病の患者が出血を止める為や、予防するための特効薬として用いたのが血液剤でして、その中にHIVウィルスが含まれていたために、全血友患者の4割にあたる2000人が感染した薬害事件がありました。
これは、防ぐことができたことで、例えば、国内産血液から作るクリオ剤を用いる事や、非加熱製剤を早急に回収して加熱製剤に切り替えおくなど、早期に対策をとっていればHIV感染の拡大は防ぐことは出来たはずです。
ところが、複数の血液を混合させてつくる非加熱血液製剤の危険性が欧米で明らかになったにも関わらず、医師はその危険性を患者さんに説明せず、製薬企業も輸入と販売を続けることをし、当時の厚生省は対策も講じなかったのです。
医師が感染を患者さんに説明しなかったことから、二次感染が生じたことも大きな問題となりました。
薬害エイズは、国や製薬企業が適切な対策をとらなかったので拡大し、結果的にこの問題は、血友病の専門医と厚生省の責任者と企業の経営者が責任を問われることになり、最初の刑事薬害事件に発展したのです。
ソリブジン
日本商事が開発したウィルス感染症の治療薬ソリブジンですが、発売して1年で15人の死者を出した薬害事件で、これがソリブジン事件と呼ばれるもので、その後、治験段階で投与された患者が3人も死亡している事が判明しました。
ソリブジンは、手術後の免疫力が低下した時などに、ヘルペスウィルスが増殖して、皮膚に水膨れができる状態の新薬として開発されました。
それまでの抗ウィルス剤よりも1日の服用量が少なくて利便性があるとされてきましたが、発売後1ヶ月で、別の薬品との併用で病状が重い副作用が発生することが分かりました。
重大な副作用の恐れがある場合は、特別に警告する欄を設けて注意を促すように定められていますが、ソリブジン事件が起きた時期は、相互作用の項目に併用投与を避けることと明記されているだけで、警告や禁忌の項目には何も記載されてなくて、警告欄が設けられたのは死者が出た後でした。